飛行場の近くに住宅を建てたけど、飛行機の騒音がひどく、生活に影響が出ている人の中には、防音工事を検討している人もいるはずです。
飛行場の近くに住宅があり、防音工事をする場合には、補助金を受けられる可能性があるため、事前に確認しておく必要があります。
住宅防音工事補助金は、国が指定する地域にある住宅向けに、飛行機の騒音を防止するための工事に対して補助金が出る制度です。
本記事では、住宅防音工事に対する補助金について詳しく解説します。
現在、飛行場の近くに住宅があり、騒音で悩んでいる方は、本記事を参考にして防音工事を検討してみてください。
住宅防音工事補助金とは?
住宅防音工事補助金とは、国が指定する「特定空港周辺地域」の中になる住宅に対して、騒音レベルが一定以上ある場合に、防音工事に対して補助金を支払う制度です。
例えば、飛行場の近くに住宅があって、飛行機の騒音が生活に影響を与えている場合に、サッシを変更したり、防音ドアを採用したりなどのリフォームをした際に、事前に申請するとリフォーム代の補助を受けられます。
飛行場は基本的に公的な機関となるため、飛行機の騒音の影響を受ける場合には補助が出る仕組みとなっています。
住宅防音工事補助金の対象は?
住宅防音工事の補助金の対象となるのは、国が指定した「特定空港周辺地域」にある住宅で、騒音が生活に影響を及ぼしている場合に補助金の対象となります。
ただ、国が指定した「特定空港周辺地域」に該当している場合でも、飛行場ができる以前にあった既存の住宅がリフォームする場合に限るため、新築住宅は対象外となります。
住宅防音工事の補助金の対象となる工事は主に以下のようなものがあります。
- 防音サッシへの変更
- 防音ドアへの変更
- 壁や天井の防音工事
- 冷暖房設備の設置
防音工事だけでなく、飛行機の騒音を遮断するためには、窓を締め切る必要が生じるため、冷暖房設備の設置も補助の対象となります。
住宅防音工事補助金を受け取るまでの流れ
住宅防音工事の補助金を受け取るためには、一連の流れを理解しておかないと補助金を受け取れなくなる可能性があります。住宅防音工事の補助金を受け取るまでには、以下の7ステップを踏む必要があります。
- 対象地域の確認
- 相談・調査
- 工事計画の策定
- 申請書の提出
- 補助金の交付決定
- 工事の実施
- 完了報告
それぞれのステップを簡単に解説します。
1.対象地域の確認
住んでいる住宅の地域が補助金の対象かどうかを調べる必要があります。
補助金の対象となる地域かどうかは、住んでいる市町村の役場に問い合わせたり、Webサイトを確認したりする方法があります。
例えば、北関東の飛行場周辺であれば、防衛省の「住宅防音工事の助成|北関東防衛局」を確認すると対象地域を確認できます。
対象地域にあり、住宅を建築した年数が定められた年数よりも前であれば補助金の対象となるため、事前に確認が必要です。
2.相談・調査
対象地域が確認できたら、窓口に相談して、調査を依頼する必要があります。
補助金の窓口は、対象となる飛行場の管轄によって変わります。市町村の役場であったり、空港管理者であったりするため、管轄がどこかを確認して問い合わせましょう。
3.工事計画の策定
現地調査をしてもらい、対象地域で補助金の対象となった場合には、リフォーム会社を選定し、工事の計画を策定します。
どの部屋を防音し、どのような工事を行うかをリフォーム会社と相談しながら工事計画を立てます。
4.申請書の提出
工事の計画を策定したら、必要な書類を提出します。必要な書類は、役所や空港管理者に相談に行く際に確認しておくと良いでしょう。
申請書については、Webサイトからダウンロードできる場合もあるため、事前にコピーしておくとスムーズです。
5.補助金の交付決定
申請書が受理されて、審査を通過したら補助金の工夫が決定します。
補助金の交付が決定するまでは工事の実施をしないようにしなければ、補助金が受けられなくなる可能性があるため、通知があるまで待機しておくようにしましょう。
6.工事の実施
補助金の交付決定が通知されたらリフォーム会社に報告し、工事を実施してもらいます。
工事の内容を申請しているため、申請した工事以外にならないように確認しておく必要があります。
7.完了報告
リフォームが完了したら報告書を提出して、補助金を受け取ります。
補助金を受け取るまでの流れは、煩雑で時間を要する可能性があるため、手続きに慣れているリフォーム会社にサポートしてもらうと安心です。
そのため、リフォーム会社を選ぶ際には、手続きもサポートしてもらえるかも確認しておくと良いでしょう。
補助金を活用したリフォームのメリット
住宅防音の補助金を活用してリフォームをした場合に得られるメリットには、主に以下の4つがあります。
- 防音性能の向上
- 断熱性能の向上
- 資産価値の向上
- 生活環境の改善
それぞれのメリットを詳しく解説します。
防音性能の向上
住宅の防音性能を向上させた場合には、飛行機等の騒音を防げるだけでなく、車や人の話し声などの音も遮断できるため、静かな環境を実現できます。
また、住宅の防音性能が向上すると、家族との会話などの生活音も外に漏れ出にくくなるため、プライバシーが守られやすくなるのもメリットの一つです。
断熱性能の向上
住宅の防音性能を向上させると、断熱性能が向上する可能性があります。音は空気を通して伝わりますが、熱も同様です。そのため、音を遮断する防音工事を行うと空気の流れを遮断するため、熱も伝わりにくくなるのです。
例えば、外気熱が伝わりやすい窓サッシの場合には、防音サッシに変更すると、音だけでなく、熱も遮断してくれます。
壁や天井の防音工事も同様で、住宅全体の防音効果が高まると断熱性能も向上する可能性があります。
資産価値の向上
住宅の防音性能が高まると、防音効果だけでなく、断熱性能なども向上するため、住宅全体の機能が高くなります。その結果、住宅の資産価値が向上する可能性があるのもメリットの一つです。
飛行場の周りでは特に、防音対策がされている住宅とされていない住宅では住みやすさにも関わってくるため、防音工事は資産価値に繋がるといえます。
生活環境の改善
住宅の防音工事を行うと、窓の開け閉めなどの無駄な作業が減るため、生活環境が改善します。
飛行場周辺の補助金が対象となる防音工事には、冷暖房設備の設置も含まれています。
防音性能を高めるためには、常に窓を締め切っておく必要があるため、適切な冷暖房設備の設置が必要です。
適切な冷暖房設備が設置されれば、窓の開け閉めが必要なくなるだけでなく、室内の温度を一定に保たれやすくなるため、生活環境が改善されます。
住宅防音工事で補助金を使う際の注意点
飛行場周辺で住宅の防音工事をする際に、補助金を活用するのであれば、以下の4点に注意しておく必要があります。
- 補助金の対象かどうかを確認
- 交付を受ける前に工事しないように
- 工事内容の変更は報告を
- リフォーム会社の選別
注意点を理解しておかないと、工事をしたのに補助金がもらえなくなる可能性があるからです。
補助金の対象かどうかを確認
飛行場周辺で防音工事をして補助金を受ける際には、対象地域かや築年数が飛行場が建設される前なのかを確認しておく必要があります。
特に注意しなければならないのは、飛行場ができた後に建設された住宅はほとんどの場合に対象外となる点です。
Webサイトや担当の窓口に問い合わせて、対象地域に含まれているのかやいつ以前に建設された住宅なら補助金が受けられるのかを確認しておきましょう。
交付を受ける前に工事しないように
補助金を受ける際には、交付が決定する前に工事に着手しないようにしなければなりません。交付の前に工事を開始してしまうと、補助金の対象から外れてしまうためです。
必ず交付の決定通知が来てから、リフォーム会社に報告して、工事を開始するようにしておきましょう。
工事内容の変更は報告を
もし補助金の交付が決定していて、リフォーム工事中に工事内容が変更になった場合には、すぐに担当者や窓口に報告しなければなりません。
申請時の内容と完了時の内容に違いがあると、補助金が受け取れなくなる可能性があるからです。
工事の内容を変更する場合には、工事を実施する前に窓口等に問い合わせ、変更しても問題ないかを確認するようにしましょう。
リフォーム会社の選別
防音工事などのリフォームをする場合には、リフォーム会社の選別は慎重に行わなければなりません。
高額な工事費用を請求されたり、劣悪な工事内容だったりする場合があるためです。
信頼できるリフォーム会社を選ぶためにも、3社以上の業者で相見積もりをしたり、実績や口コミを確認したりするようにしましょう。
もし可能であれば、補助金申請などの手続きも一緒にしてくれる業者であれば安心です。
騙されないためにも、すぐに契約するのではなく、さまざまな意見を参考にするようにしてください。
まとめ
今回は、飛行場周辺の住宅における防音工事の際に使用できる補助金について、申請の流れや防音工事をする際の注意点について解説しました。
飛行場周辺の住宅の防音工事をする際には、市町村の役所や防衛局などの空港管理者に問い合わせて、補助金が受け取れるかをまず相談すると良いでしょう。
補助金の対象となった場合には、本記事で解説した7つのステップを理解しておくと補助金を受け取るまでがスムーズです。
防音工事で補助金を受ける際の注意点としては、補助金の交付が決定するまでは工事を始めない点であったり、工事の変更がある場合にはすぐに報告する点であったりがあります。注意点を理解しておかないと、工事後に補助金が受け取れなくなる可能性があるためです。
防音工事の補助金申請は面倒な部分も多いため、専門家であるリフォーム会社に相談しつつ、始めると良いでしょう。