REFORM COLUMN

キッチンリフォームで受け取れる補助金はある?条件や金額を詳しく解説

2025.05.02

新築から15年ほど経つと、キッチンの汚れや不具合が目立つようになってきます。そうしたことをきっかけに、リフォームを検討し始める方も多いのではないでしょうか。

ただし、キッチンのリフォームにはおおよそ50万円〜200万円ほどの費用が発生してしまうため、補助金を上手に活用して、費用を抑えたいところです。

キッチンをリフォームする際の補助金としては、子育てグリーン住宅支援事業や長期優良住宅化リフォーム推進事業などがあり、それぞれの制度には申請できる条件や期限があります。補助金制度の申請条件や期限を知っておかないと、補助金を受けられなくなる可能性があるため、事前に理解しておく必要があります。

そこで、本記事ではキッチンをリフォームする際に受けられる補助金制度の概要と注意点を詳しく解説します。

記事の後半では、自治体ごとに用意されている独自の補助制度についても取り上げていますので、これからキッチンをリフォームしようと考えている方は最後までご覧ください。

キッチンをリフォームする際に受けられる補助金制度

キッチンリフォームにあたって利用できる主な補助金制度は、主に以下の4つがあります。

  • 子育てグリーン住宅支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 介護保険を活用した住宅の改修補助
  • 自治体別に施行されている補助金制度

補助金制度の条件や申請期限については、十分に理解しておかないと補助金が受けられなくなる可能性があるため、事前に理解しておきましょう。

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、国土交通省が発行している制度で、エネルギー価格や物価が高騰する影響を受けやすい子育て世帯に対して、省エネ性能の高い住宅を建てる際の補助を行う制度です。

この制度は、新築の住宅を建てる時だけでなく、既存住宅を省エネ仕様にリフォームする際にも利用することが可能です。

補助金を申請するには、以下のいずれかの「必須工事」から2項目以上の実施が条件とされています。

  • 窓やドアなど開口部の断熱性能向上
  • 屋根・壁・床など構造部分の断熱工事
  • 節水型トイレや高効率給湯器などの省エネ設備の導入

上記のような省エネ改修工事を2種類以上行わないと補助の対象外となるため、キッチンのリフォームだけでは子育てグリーン住宅支援事業の補助金を受けるのは難しい場合がほとんどです。

子育てグリーン住宅支援事業の金額や申請者については、以下の表を確認してください。

予算 400億円
補助額 必須工事の3つを施工した場合:上限60万円/戸
必須工事の2つを施工した場合:上限40万円/戸
申請者 工事施工業者(事前に事務局に登録した業者)
対象期間 2024年11月22日以降に工事に着手したもの
申請期限は、予算上限に達するまでか2025年12月31日まで

キッチンのリフォームに加えて、窓やドアを交換したり、エコキュートや太陽光発電の設置をしたりする場合には、子育てグリーン住宅支援事業の対象となるため、補助金の申請を検討しましょう。

ただ、子育てグリーン住宅支援事業の補助金を受けるためには、事務局に登録したリフォーム業者が申請しなければならないため、工事を依頼する前に登録されている業者かどうかの確認は必須です。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

2025年度の実施についてはまだ正式な発表はありませんが、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」も住宅のリフォームに対して補助金が支給される制度の一つです。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の概要を以下の表にまとめました。

補助金額 上限80~160万円/戸
補助金対象の条件 ・1階の床面積が40㎡以上かつ、延べ床面積が55㎡以上
・住宅の性能向上、三世代同居への対応、防災対策のリフォームのいずれかの工事を行う
・リフォーム後の住宅の性能が一定の基準を満たしている
補助金対象の工事 1. 劣化対策、耐震性、省エネルギー対策
2.維持管理・更新の容易性、バリアフリー対策
3.三世代同居のための対応、子育て世帯向けの対応、防災性・レジリエンス性の向上
上記の工事の中で1つ以上を行う場合
補助金申請の受付期間 2024年5月13日~2025年1月31日まで

工事費用に関しては、以下の3つの工事のいずれかを実施する場合には最大50万円が加算されます。

  • 同居を目的とした住宅のリフォーム
  • 子育て世帯や若年層による住まいの改修
  • 中古住宅を購入し、その後に実施するリフォーム工事

また、リフォーム工事前に、インスペクション、維持保全計画の作成を行う必要があり、その費用に関しても補助金が発生します。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の中でキッチンのリフォームのみで補助金が出る場合の条件としては、子育て世代の住宅において対面式のキッチンにリフォームした場合に限ります。

断熱性能を上げるための工事などと一緒にキッチンをリフォームする場合には長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金対象となる可能性があるため、事前に補助金を受けられるかを確認しておく必要があります。

介護保険を活用した住宅の改修補助

キッチンを利用する人が介護認定を受けている場合には、介護保険からの補助金が受けられます。

介護保険を利用してキッチンをリフォームした場合の補助金上限額は20万円です。

注意点としては、キッチンを利用する人が介護認定を受けていない場合には、補助金を受けられない点があります。リフォームの対象はバリアフリーにするための工事のみとなるため、劣化したからリフォームする場合には、介護保険の補助金は受けられない可能性があります。

自治体別に施行されている補助金制度

キッチンをリフォームする場合には、国が制定している制度以外にも自治体別で施行している補助金制度があります。

例えば、埼玉県の富士見市では「住宅リフォーム補助金制度」があり、ビルトイン食洗機の導入や節水型水洗の導入などのリフォームに上限10万円の補助金が出ます。

他には、北海道札幌市の場合、「子育て世帯向け住宅改修補助金」があり、子育て世代を対象に、キッチンの対面化や収納スペースを拡大するなどのリフォームを対象に最大30万円の補助金が出ます。

このように、自治体別に補助金制度があるため、まずはお住まいの自治体が実施しているリフォーム支援制度がないか調べてみるとよいでしょう。

キッチンリフォームの補助金を受ける際の注意点

キッチンのリフォームで補助金の活用を検討する場合は、以下の5つの注意点を理解しておく必要があります。

  • 申請対象となる条件を確認すること
  • 申請の締切日を把握すること
  • 必要な書類を不備なく準備すること
  • 補助金制度に対応している施工会社を選ぶこと
  • 補助金の申請後に工事を始めること

上記の注意点を理解しておかないと、補助金が受け取れなくなったり、貰えるはずだった補助金の申請ができなくなったりする可能性があります。

そのため、上記の注意点は十分に理解しておきましょう。

申請対象となる条件を確認すること

リフォームに関する補助金を活用する際は、それぞれの制度に設けられている申請条件を事前にしっかりと確認しておく必要があります。

申請条件を確認せずに工事をしてしまうと、条件に合致しておらず、補助金が受けられなくなる可能性があるためです。

例えば、子育てグリーン住宅支援事業であれば、キッチンの改装だけでは対象外となり、窓や出入り口の断熱工事など、他の省エネ改修を同時に行うことが求められます。

このように、必ず条件を達成しているかどうかを工事前に確認するようにしましょう。

申請の締切日を把握すること

リフォームの補助金を申請する際には、補助金制度の申請期限がいつまでかの確認が必要です。例えば、子育てグリーン住宅支援事業であれば、2025年12月31日が期限となります。

リフォームをする前に、期限が過ぎていないかを確認し、期限が近いようであれば、すぐにリフォームの準備に取り掛かると良いでしょう。

必要な書類を不備なく準備すること

リフォームの補助金を受ける際には、事前に書類を揃える必要があります。例えば、介護保険を使用する場合には、介護保険証などの写しが必要となるため、忘れずに準備しておきましょう。

必要な書類については、施工するリフォーム会社に問い合わせると教えてくれるので、工事が完了する前までに確認しておいてください。

補助金制度に対応している施工会社を選ぶこと

補助金を受ける際には、施工業者の選定には注意が必要です。

国が施行している補助金制度のほとんどは、申請者がリフォームの施工業者になっている場合が多く、申請するためには施工業者が事務局に登録しておかなければならないためです。

そのため、リフォーム会社を選ぶ際には、実績や口コミだけでなく、補助金制度の申請者として登録されているかを確認しておきましょう。

直接問い合わせて登録しているかを確認しても良いですし、業者によってはホームページに記載されている場合もあるため、確認しておくと良いでしょう。

補助金の申請後に工事を始めること

リフォームで補助金を利用したい場合は、必ず補助金の申請をしてから工事を開始するようにしましょう。補助金制度の中には、すでに工事が完了していたり、施工が始まっているリフォームは対象外となる場合があるためです。

制度ごとに異なる要件が設けられているため、着手前に利用可能な補助制度を調べてから、手続きを開始するようにすると良いでしょう。

名古屋市のリフォーム補助金制度

弊社ニノスがある名古屋市にも、国が施行している補助金制度以外にリフォーム補助金制度があります。名古屋市のリフォーム補助金制度は「名古屋市空き家活用支援事業費補助金」があり、地域の活性化を目的に空き家をリフォームする際に補助金が出る制度です。

対象となる工事には以下のようなものが含まれます。

  • 台所、浴室、洗面所、又は便所の改修工事
  • 給排水、電気、又はガス設備の改修工事
  • 屋根、又は外壁等の外装の改修工事
  • 壁紙の張替え等の内装の改修工事

これらの改修を行う際、最大で100万円の補助を受けられる可能性があります。

注意点としては、一般家庭でのキッチンリフォームには「名古屋市空き家活用支援事業費補助金」制度が利用できない点です。

あくまでも、空き家をリフォームして地域交流を促進する体験学習施設や創作活動施設を作る場合に使用できる補助金制度ですので、要件は十分に確認しておきましょう。

名古屋市空き家活用支援事業費補助金については、「名古屋市空き家活用支援事業費補助金」公式サイトを確認してください。

まとめ

今回は、キッチンをリフォームする際に受けられる補助金について、補助金制度の概要と補助金制度を受ける際の注意点について解説しました。

キッチンまわりのリフォームでは、「子育てグリーン住宅支援事業」や「介護保険を活用した住宅改修」など、複数の制度が対象となる場合があります。それぞれに申請方法や条件がことなるため、どのような制度かを十分に理解しておく必要があります。

また、それぞれの制度を併用できる場合もあるため、リフォーム会社等に相談してみると良いでしょう。

補助金をスムーズに受け取るには、申請条件や期限だけでなく、施工業者の選定や工事の開始時期にも注意しておく必要があります。

特に施工業者においては、補助金を受けられる対象の業者になっているかや適正な価格で施工してくれる業者かを確認しておかなければなりません。

キッチンは毎日使う場所のため、補助金を上手に活用して、使いやすいリフォームになるように事前に勉強しておきましょう。