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愛知県名古屋市で急増する自動車盗難|地域別データと効果的な防犯対策を解説!

2025.06.16

愛知県は、全国の中でも自動車盗難の発生件数が特に多い地域として知られています。中でも名古屋市では、都市部ならではの事情や車種の偏りなどもあり、近年そのリスクが高まっています。「自分の車は大丈夫」と油断していると、いつの間にか被害に遭ってしまう可能性も否定できません。

本記事では、名古屋市における自動車盗難の現状や地域別の傾向をもとに、被害を未然に防ぐための防犯対策についてわかりやすく解説します。大切な車を守るために、今すぐできる対策を確認しておきましょう。

なぜ今、愛知県での防犯対策が重要なのか

愛知県は長年にわたり、自動車盗難の発生件数が全国トップクラスを維持しており、近年のデータでもその傾向が続いています。中でも名古屋市を中心とした都市部では、車の保有台数が多く、交通インフラが発達していることから、窃盗犯にとって“狙いやすい地域”であることから、防犯対策が非常に重要です。特にトヨタ車など人気車種は海外への不正輸出目的で狙われることも多く、組織的な犯行が疑われるケースも増加中です。

こうした背景から、行政や警察も警鐘を鳴らしており、市民一人ひとりが高い防犯意識を持つことが求められています。防犯対策は「やっておけばよかった」では遅く、事前の備えこそが被害を未然に防ぐ最大のポイントです。車両のロックだけでなく、複数の防犯対策を併用するなど、被害を防ぐためにできる行動を取っておきましょう。

名古屋市における自動車盗難の現状

名古屋市では、自動車盗難が依然として深刻な治安問題のひとつとなっています。2025年4月末時点での自動車盗の認知件数は115件に上り、これは前年と比較して約42.0%の増加を示しています。自動車盗難は、近年減少傾向にあったものの、2024年には再び増加に転じ、名古屋市のこの増加は特に警戒を要する状況です。

被害が多い車種は毎年ほぼ固定されており、特にトヨタの「ランドクルーザー」「プリウス」「アルファード」の3車種が盗難車両全体の過半数を占めています。これらの車種は海外でも高い人気があり、輸出ルートが確立されていることから、組織的な窃盗グループに狙われやすい傾向があります。中でもランドクルーザーは、中東、アフリカ、オーストラリアなど、過酷な環境での走行が求められる地域の需要が高く、国内での窃盗後すぐに海外に輸送されるケースも報告されています。

参照:令和6年4月末(暫定値)の犯罪発生状況

盗難が多い地域の特徴と原因分析

盗難が多発している地域は、港区、中川区、南区などです。これらの地域では住宅街と幹線道路が近接しており、盗難後に高速道路へすぐにアクセスできる立地が犯行を後押ししている可能性があります。加えて、月極駐車場や屋外の無人駐車場など目が届きにくい場所での被害が多く、夜間の暗がりを狙った犯行が目立っているのも特徴です。

さらに問題となっているのが、盗難手口の高度化です。近年多発している「CANインベーダー」や「リレーアタック」といった電子機器を用いた手口は、わずか数分で車両を開錠・発進させることが可能であり、防犯対策が追いつかないケースも見受けられます。とくにCANインベーダーは、車体のバンパー付近にアクセスして車載コンピューターに侵入する手口で、外見からの被害痕跡がほとんど残らないため、警察の捜査も難航するケースも少なくありません。

このような背景を受けて、名古屋市と愛知県警察は、市民に対して防犯対策の強化を呼びかけています。ハンドルロックやセキュリティ機器の導入をはじめ、駐車環境の見直しや地域ぐるみの監視体制づくりが求められており、「自分の車は狙われない」という油断が命取りになりかねない状況です。

参照:愛知県警察犯罪オープンデータサイト

効果的な防犯対策

ここまで解説してきたように、名古屋市をはじめとする愛知県では、自動車盗難への対策が急務となっています。高度化・組織化する手口に対抗するには、複数の防犯対策を組み合わせることが重要です。

  • ハンドルロックやタイヤロックの活用
  • リレーアタック防止ポーチを活用
  • GPSやセキュリティアラームの導入
  • 駐車環境の見直しと照明の確保
  • ステッカーやダミー装置で心理的抑止

ここでは、個人で実施できる具体的な対策をご紹介します。

ハンドルロックやタイヤロックの活用

ハンドルロックやタイヤロックは、窃盗犯の犯行を物理的に阻止する代表的な手段です。車のハンドルやタイヤに直接固定する器具で、車両操作が不可能になるため、犯人が短時間で盗み出すことを困難にします。特にハンドルロックは工具を使って外すのに時間がかかるため、見た目の威圧効果も高く、防犯意識の高いオーナーであることを示すサインにもなります。犯罪者にとって「手間のかかる車」は敬遠されやすいため、非常に有効な対策といえるでしょう。

加えて、最近はハンドルロックにアラーム機能がついているものや、切断に強い素材を使った高性能モデルも登場しています。価格も比較的手頃なため、初期投資として導入しやすいのもメリットです。

リレーアタック防止ポーチを活用

スマートキー車両を狙った「リレーアタック」は、近年特に増加している高度な盗難手口です。犯人は、家の近くに置いてあるスマートキーから出る微弱な電波を中継装置で拾い、車両に送信することで鍵を使わずに車を開錠・発進させてしまいます。

この対策として有効なのが「電波遮断ポーチ(リレーアタック防止ポーチ)」の活用です。スマートキーをポーチの中に保管することで、電波が外部に漏れず、犯人が信号を傍受するのを防げます。さらに、金属製の収納ボックスや鍵付きキャビネットに保管するなどの工夫も併用するとより効果的です。

夜間や在宅中も油断せず、ポーチに入れる習慣を身につけることで、盗難リスクを大きく減らすことが可能です。

GPSやセキュリティアラームの導入

盗難の発生を防ぐだけでなく、万が一被害に遭った際の早期発見・追跡を可能にするのがGPS端末やセキュリティアラームの活用です。GPSは車両の現在地をスマートフォンなどからリアルタイムで確認できるもので、捜索や警察への通報において大きな助けとなります。最近は小型で目立たないGPS機器も多く、車内に隠して設置することで追跡効果を最大化できます。

また、衝撃やドア開閉に反応して警報を鳴らすセキュリティアラームも、窃盗を未然に防ぐ手段として有効です。大音量のアラーム音が近隣に響けば、犯人は周囲の目を気にして逃走する可能性が高まります。最近では、アラーム付きのハンドルロックや、アプリと連携して通知を受け取れるモデルも登場しております。

駐車環境の見直しと照明の確保

車両をどこに停めるかも、防犯性に大きく影響します。月極駐車場や集合住宅の屋外駐車場では、周囲の死角が多く、夜間は特に狙われやすくなります。可能であれば、セキュリティゲート付きの駐車場や、防犯カメラが設置されている場所を選ぶことが理想です。

また、自宅敷地内に駐車する場合も、夜間に車両全体がよく見えるように照明を設置することが重要です。センサーライトや常時点灯型のLEDライトを設けることで、不審者への強い牽制になります。窃盗犯は「人目に触れやすい」「光が当たる」場所を避ける傾向があるため、駐車環境を整えるだけでも大きな防犯効果が期待できます。

ステッカーやダミー装置で心理的抑止

実際の防犯機器を導入するのが難しい場合でも、抑止力を高める方法があります。その代表が「セキュリティ装着車」などのステッカーや、点滅するダミーのLED警告灯の設置です。これにより、犯人に「この車には何らかの防犯対策が施されている」と思わせることができ、ターゲットから外される可能性が高まります。

また、車外だけでなく車内にも「監視カメラ作動中」「追跡装置搭載車両」などの表示を目立つ場所に貼ることで、さらなる心理的効果が得られます。こうした工夫は低コストで実践可能でありながら、犯行の抑制につながるため、他の対策と併用することがおすすめです。

まとめ|自動車盗難対策は“日常の意識”の変革から

名古屋市では、近年自動車盗難の被害が急増しており、特に人気車種を狙った組織的な犯行が目立っています。被害の多い地域には共通する特徴があり、盗難手口も年々巧妙化しています。こうした状況を踏まえ、個人ができる防犯対策としては、ハンドルロックやリレーアタック防止ポーチ、GPS端末の導入、照明・駐車環境の見直しなど、複数の方法を組み合わせることが重要です。

「自分の車は大丈夫」と油断せず、防犯意識を日常的に高めることが、愛車と家族の安心を守る第一歩です。ぜひ本記事を参考に、今すぐできる防犯対策から始めてみてください。