床下は湿気が多く暗い環境のため、シロアリやゴキブリ、ムカデなどさまざまな害虫にとって絶好の繁殖場所です。普段は目に見えない場所だからこそ、気づかないうちに被害が深刻化しやすく、放置すると建物の構造を脅かしたり、家族の健康に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。
この記事では、床下に発生しやすい害虫の種類と被害、効果的な予防対策、業者に依頼する場合の費用相場まで詳しく解説します。
床下に発生しやすい害虫の種類と被害
床下には実にさまざまな種類の害虫が生息しており、それぞれが異なる被害をもたらします。適切な対策を立てるためには、まずどのような害虫が床下に潜んでいるのか、そしてそれぞれがどんな被害をもたらすのかを知ることが重要です。
- シロアリ
- ゴキブリ
- ムカデ
- その他の床下害虫(ゲジゲジ・ダニ・クモ)
ここでは床下に発生しやすい代表的な害虫とその被害について詳しく解説します。
シロアリ|建物の構造を脅かす最も危険な害虫
シロアリは床下害虫の中で最も危険性が高く、建物の柱や土台など構造の要となる木材を食い荒らします。
日本で被害の大半を占めるのは「ヤマトシロアリ」で、北海道北部を除く日本全国に分布し、湿った木材を好んで食害します。また、「イエシロアリ」は神奈川県以西の温暖な地域に生息し、世界でも最も加害が激しい種類です。
イエシロアリは1コロニーに100万匹以上が生息することもあり、自分で水を運ぶ能力があるため乾燥した木材も湿らせて食べ、被害は建物全体に及びます。気づかないうちに被害が進行すると、修繕費用が数百万円を超えるケースもあり、早期発見と専門業者による駆除が重要になります。
ゴキブリ|衛生面で深刻な問題を引き起こす
ゴキブリは暗く湿った床下を好む雑食性の害虫で、下水や排水口など不衛生な場所から侵入するため、体中にサルモネラ菌や大腸菌、腸炎ビブリオなどの病原菌を付着させています。糞や死骸にはピロリ菌が含まれることもあり、これらが原因で食中毒を引き起こす危険性があります。
さらに深刻なのは、ゴキブリの糞や死骸が細かい粒子となって空気中に舞い、吸い込むことで喘息やアレルギー疾患の原因となることです。日本人の喘息患者の一部はゴキブリアレルギーが原因とも言われています。繁殖力も非常に高く、1匹のメスから1年半の寿命で400匹近く繁殖する可能性があるため、発見したら早急な駆除が必要です。
ムカデ|毒を持ち噛まれると激痛が走る
ムカデは湿気の多い暗所を好む肉食の節足動物で、床下に生息するゴキブリやクモなどの害虫を餌として侵入してきます。体長は数センチから10センチ以上に達するものもあり、毒を持っているため非常に危険です。
噛まれると激しい痛みと腫れを引き起こし、患部が数日間痛み続けることもあります。ムカデは「1匹いればもう1匹いる」と言われ、実際に親子のつがいで行動する習性が特徴的です。さらに寿命が5〜10年と長く、脱皮を繰り返しながら成長するため、床下に棲みついてしまうと長期間にわたって被害が続く可能性があります。
夜行性で誤って寝ている人を噛むこともあるため、見つけたら速やかに駆除する必要があります。
その他の床下害虫(ゲジゲジ・ダニ・クモ)
床下にはゲジゲジ、ダニ、クモなど、さまざまな害虫が潜んでいます。ゲジゲジはムカデと同様にゴキブリなどを捕食する益虫的な面もありますが、見た目の不快感が強く、多数の足を持つその姿は多くの人に嫌悪感を与えます。
ダニは床下のホコリやカビを餌に繁殖し、その糞や死骸がアレルギー性皮膚炎や喘息の一因です。特に小さな子どもや高齢者はアレルギー症状が出やすいため注意が必要です。クモも他の小型害虫を捕食する益虫ですが、糸や巣が不快感を与え、毒を持つセアカゴケグモなど外来種も存在します。
これらの害虫は床下の湿気や他の害虫の存在により発生しやすくなるため、総合的な対策が重要です。
床下に害虫が発生する原因とは?
床下に害虫が発生してしまうのには、いくつかの原因があります。普段は目に見えない場所だからこそ、害虫にとって好都合な環境が整いやすく、気づかないうちに繁殖してしまうケースが少なくありません。
害虫を効果的に予防するためには、まず彼らがなぜ床下に集まるのか、その理由を理解することが重要です。
- 湿気の多い環境が害虫を引き寄せる
- 侵入経路が多く外部から入りやすい
- エサとなるものが豊富に存在する
ここでは床下害虫が発生する主な原因について詳しく解説します。
湿気の多い環境が害虫を引き寄せる
床下は日が当たらず風通しも悪いため、湿気がこもりやすい環境です。特に梅雨や雨が続く時期には湿度が70%以上に上昇することもあり、地面からの水蒸気や結露、配管からの水漏れなどが原因でジメジメとした状態が続きます。
この高湿度環境は、シロアリやゴキブリ、ムカデなどほとんどの害虫が繁殖しやすい条件を満たしています。さらに湿気が原因でカビや木材腐朽菌が繁殖すると、それらを餌とするダニなどの害虫も増加し、悪循環に陥りかねません。
侵入経路が多く外部から入りやすい
床下は建物の構造上、外部からの侵入経路が非常に多く存在します。基礎の隙間やひび割れ、床下換気口、配管を通すための穴など、害虫が侵入できる箇所は想像以上に多数あります。
特に配管周りは注意が必要で、給排水管や排水口を通すために開けられた穴と配管の間には隙間ができやすく、そこが主要な侵入ルートです。ゴキブリは幼虫であれば1mm、成虫でも3mmの隙間があれば侵入可能で、ムカデも細い体を利用して小さな隙間をすり抜けてきます。
エサとなるものが豊富に存在する
床下には害虫のエサとなるものが豊富に存在しており、彼らにとって格好の餌場となっています。例えば、シロアリの主食である木材は、床下の土台や柱、大引など構造材として大量に使用されており、特に湿った木材や腐りかけた木材は絶好のターゲットです。
さらにムカデやゲジゲジ、クモは肉食性で、床下に生息するゴキブリやダニなどの小型害虫を捕食するため、これらの害虫を求めて床下に侵入してきます。つまり一つの害虫が発生すると、それを餌とする別の害虫を呼び寄せる二次被害も発生しやすく、害虫被害が連鎖的に拡大していく原因となります。
自分でできる床下害虫を予防する効果的な対策
床下害虫の被害を防ぐには、専門業者に依頼する前に自分でできる予防対策を実践することが大切です。日頃からこまめに対策を行うことで、害虫が住みにくい環境を作り、深刻な被害を未然に防ぐことができます。
- 床下の換気を徹底する
- 除湿対策で湿気を取り除く
- 侵入経路を塞ぐ
- 定期的な清掃と点検
ここでは誰でも実践できる効果的な予防方法を紹介しますので、できることから始めてみましょう。
床下の換気を徹底する
床下の換気は害虫予防の基本的な対策です。まず床下換気口が塞がれていないか確認し、定期的に掃除して空気の流れを確保しましょう。換気口周辺の落ち葉やゴミを取り除き、建物周囲の植木が換気を妨げていないかもチェックが必要です。
床下換気扇の設置も効果的で、強制的に空気を循環させることで湿度を大幅に下げられます。換気を徹底することで床下の湿度を下げ、シロアリやゴキブリ、ムカデなど湿気を好む害虫が住みにくい環境を作ることができます。
除湿対策で湿気を取り除く
換気と合わせて除湿対策を行うことで、さらに効果的に害虫を予防できます。市販の調湿材(シリカゲル、炭、ゼオライトなど)を床下に設置すると、湿気を吸収して床下環境を改善できます。調湿材は床下点検口から手の届く範囲に複数個所設置し、効果が持続するよう3ヶ月〜半年ごとに交換または天日干しで再生させましょう。
より本格的な対策として、防湿シートの敷設も有効で、地面からの水蒸気を遮断することで湿度上昇を防ぎます。これらの除湿対策により、床下の湿度を60%以下に保つことができれば、ほとんどの害虫の繁殖を抑制できます。
侵入経路を塞ぐ
害虫の侵入を物理的に防ぐことも重要な予防策です。基礎のひび割れや隙間を発見したら、市販のコーキング剤やモルタルで補修しましょう。配管周りの隙間には、粘土タイプのパテが効果的で、初心者でも簡単に施工できます。
床下換気口には細かい防虫網を取り付けることで、害虫の侵入を防ぎながら換気機能を維持できます。排水管からの侵入を防ぐため、使っていないシンクや洗面台の排水口には封水トラップが機能しているか確認し、長期間使用しない場合は定期的に水を流して封水を保ちましょう。
これらの対策により、害虫の侵入経路を大幅に減らすことができます。
定期的な清掃と点検
床下の状態を定期的に確認することで、害虫被害の早期発見と予防につながります。年に1〜2回は床下点検口から床下を確認し、害虫の痕跡(糞、死骸、蟻道など)がないかチェックしましょう。
点検時には床下の木材に変色や腐食、空洞化の兆候がないかも確認し、異常があれば専門業者に相談しましょう。建物周辺の清掃も忘れずに行い、落ち葉やゴミを溜め込まないようにすることで、害虫が建物に近づきにくくなります。
また庭の雑草を定期的に刈り取り、建物の基礎周りに物を置かないようにすることで、害虫の隠れ場所を減らせます。
床下害虫駆除を業者に依頼する場合の費用相場
自分での対策に限界を感じた場合や、すでに害虫被害が発生している場合は、専門業者への依頼が確実です。ここでは、業者に依頼する際の費用相場を害虫の種類ごとに紹介します。
| 駆除内容 | 作業内容 | 費用相場 | 作業時間 |
| シロアリ駆除(予防含む) | 薬剤散布・防蟻処理 | 10万円~30万円
(1坪あたり5,000円~10,000円) |
1日~2日 |
| ゴキブリ駆除 | 燻煙剤散布・侵入防止施工 | 2万円~10万円 | 2時間~半日 |
| ムカデ駆除 | 薬剤散布(床下のみ) | 3万円~15万円 | 2時間~半日 |
| 床下一般害虫駆除(シロアリ以外) | 薬剤散布 | 3,000円~3万円 | 1時間~2時間 |
| 床下点検 | 目視確認・湿度測定 | 無料~1万円 | 30分~1時間 |
| 床下換気扇設置 | 換気システム導入 | 2万円~5万円(1台) | 半日 |
床下害虫駆除の費用は、建物の広さや害虫の種類、被害状況によって大きく変動します。また、ゴキブリやムカデの駆除は、戸建ての方がマンションより侵入経路が多いため費用が高くなりやすく、屋内・屋外すべてで駆除を行う場合はさらに費用が上がります。
業者を選ぶ際は、必ず複数社から相見積もりを取り、作業内容や保証内容を比較しましょう。無料点検を実施している業者も多いため、まずは現地調査を依頼して正確な見積もりを取ることをおすすめします。
まとめ|床下害虫対策はプロの業者に相談を
床下害虫は建物の構造や家族の健康に深刻な被害をもたらす可能性があります。湿気対策や侵入経路の封鎖など自分でできる予防策を実践することは大切ですが、すでに被害が発生している場合や、シロアリのような専門的な駆除が必要な害虫については、早急に専門業者に相談することをおすすめします。
特にシロアリは市販の殺虫剤では対処が難しく、かえって被害を拡大させる恐れもあるため、必ず専門業者に依頼しましょう。
床下の湿気や換気不足が害虫発生の根本的な原因となっている場合は、床下換気扇の設置や防湿工事などのリフォームで改善できる可能性があります。名古屋市を拠点にリフォームを手がけるニノス株式会社では、床下環境の改善に関するご相談も承っております。害虫が発生しにくい住環境づくりについて、お気軽にお問い合わせください。