REFORM COLUMN

住宅省エネ2025キャンペーンとは?補助金制度・対象工事・申請方法を解説

2025.10.25

「光熱費が高くて家計を圧迫している」「冬の寒さや夏の暑さが厳しく、エアコン代が気になる」「環境に配慮した住まいにしたいけれど、費用が心配」といったお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、政府は住宅の省エネ化を強力に推進しており、その一環として「住宅省エネ2025キャンペーン」が実施されています。断熱改修や高効率給湯器の導入など、住宅の省エネ化に関する工事に対して手厚い補助金が支給されます。

本記事では、住宅省エネ2025キャンペーンの補助金の概要、対象工事、申請方法まで解説します。住宅リフォームを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください!

住宅省エネ2025キャンペーンとは

住宅省エネ2025キャンペーンは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、家庭での省エネを促進するために国が実施している補助事業です。新築住宅の建設やリフォーム工事を対象に、断熱性能の向上や高効率設備の導入を支援する4つの補助事業が用意されています。

このキャンペーンの最大の特徴は、一部の新築住宅を除き、子育て世帯に限らずすべての世帯が対象となることです。従来の補助金制度では年齢や世帯構成に制限があることが多かったため、より多くの家庭が省エネリフォームに取り組めるようになりました。

キャンペーンは国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携して実施しており、各事業の予算に対する申請額の割合が100%に達し次第、受付は終了します。2025年10月時点では、一部事業で予算消化率が70%を超えており、特に「給湯省エネ2025事業」は進捗が早いため、リフォームを検討している場合は早めの申請が推奨されます。

4つの補助事業|対象工事と補助金額

住宅省エネ2025キャンペーンでは、施工内容に応じて4種類の補助事業が用意されています。それぞれ異なる目的と補助内容を持っており、複数の事業を組み合わせて活用することも可能です。

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、住宅の省エネ化を幅広くサポートする補助制度で、新築住宅の建築とリフォーム工事の両方が対象となります。

リフォーム工事では、開口部の改修、給湯設備の設置、その他さまざまな改修工事が補助対象です。開口部の改修には内窓の設置や外窓の交換、ドアの交換などが含まれ、給湯器の設置では高効率給湯器への交換が対象です。

その他の改修工事として、外壁や屋根、床の断熱改修、バリアフリー改修、空気清浄機能付きエアコンの設置、太陽熱利用システムの設置なども補助対象となります。補助金額は工事内容によって異なり、上限額は1戸あたり30万円(子育て世帯等の要件を満たす場合は60万円)です。

幅広い省エネ工事が対象となるため、住宅の総合的な省エネ化を図りたい方におすすめです。

先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ2025事業は、断熱性の高い窓やドアの導入に特化した補助制度です。住宅の断熱性能向上において、開口部の改修は非常に効果的で、特に熱の出入りが最も大きい窓の断熱改修により、大幅な省エネ効果が期待できます。

補助対象となるのは、内窓の設置、外窓の交換、ドアの交換です。これらの工事では、JIS規格に適合し、かつ一定の断熱性能基準をクリアした製品の使用が条件となります。補助金額は製品の性能や大きさによって決められており、1戸あたり最大200万円まで支給されます。

内窓の設置は比較的工期が短く、1日程度で完了することが多いため、住みながらのリフォームにも適切です。外窓の交換は工事規模が大きくなりますが、より高い断熱効果が期待できます。窓の断熱改修は投資効果が高く、光熱費削減効果を実感しやすい工事として人気があります。

給湯省エネ2025事業

給湯省エネ2025事業は、高効率給湯器の設置に対する補助制度です。家庭のエネルギー消費量において給湯は大きな割合を占めるため、高効率給湯器への交換による省エネ効果は非常に大きくなります。

補助対象となるのは、家庭用燃料電池(エネファーム)、電気ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、ガス瞬間式給湯機です。これらの機器は従来の給湯器と比べて大幅な省エネ性能を実現しており、光熱費の削減に直結します。

補助金額は機器の種類によって異なり、エネファームは18万円、エコキュートは13万円、ハイブリッド給湯機は13万円、ガス瞬間式給湯機は3万円です。また、電気蓄熱暖房機や電気温水器を撤去して高効率給湯器に交換する場合は、追加で5万円の補助金が支給されます。給湯器の交換工事は比較的短期間で完了し、省エネ効果をすぐに実感できることが特徴です。

賃貸集合給湯省エネ2025事業

賃貸集合住宅向けの省エネ型給湯器交換をサポートするのが「賃貸集合給湯省エネ2025事業」です。この制度を活用することで、賃貸住宅でも入居者の光熱費負担軽減と環境負荷の削減を同時に実現します。

補助対象となるのは、追い焚き機能なしの給湯器(号数16以下)で、省エネ性能の高い機種への入れ替えが条件です。補助金額は1台あたり7万円で、賃貸住宅のオーナーが申請主体です。この事業により、賃貸住宅の入居者も省エネ給湯器の恩恵を受けることができ、月々の光熱費負担を軽減できます。

工事内容別|省エネリフォームの費用相場

住宅省エネリフォームにかかる費用は、工事内容や住宅の規模によって大きく変動します。ここでは、主要な省エネ工事の費用相場と期待できる効果について詳しく見ていきましょう。

工事内容 工事詳細 費用相場 補助金額 工期目安
内窓設置 断熱性能の高い内窓新設 5~15万円/箇所 2~8万円/箇所 半日~1日
外窓交換 高性能窓への交換 15~40万円/箇所 5~21万円/箇所 1~2日
外壁断熱 外壁全体の断熱改修 150~300万円 6~12万円 7~14日
屋根断熱 屋根・天井の断熱改修 80~200万円 3~8万円 3~7日
床断熱 床下断熱材設置 60~150万円 3~6万円 3~5日
給湯器交換 高効率給湯器への交換 30~100万円 3~18万円 1~2日

費用に影響する主な要因として、住宅の規模や既存設備の状況、選択する製品のグレードが挙げられます。築年数の古い住宅では、断熱材の全面更新や配管工事が必要になる場合があり、費用が上昇することもあります。

住宅省エネ2025キャンペーンの申請方法と注意点

住宅省エネ2025キャンペーンの補助金を受けるためには、適切な申請手続きが必要です。申請は消費者が直接行うのではなく、リフォームや新築工事を担当する住宅事業者が代行して行う仕組みになっています。

申請の流れ

補助金申請の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 補助対象の工事を行う住宅事業者と契約を結びます。この際、事業者が住宅省エネポータルにアカウント登録を済ませていることを確認しましょう。
  2. 工事着工前に交付申請の予約を行い、工事完了後に交付申請を提出します。
  3. 審査完了後、補助金額が確定し、事業者を通じて消費者に還元される仕組みです。

重要な注意点

申請時に注意すべき重要なポイントがいくつかあります。まず、各事業には予算上限があり、申請額が予算に達し次第受付が終了となります。2025年10月時点では、特に「給湯省エネ2025事業」の予算消化が70%を超えており、早めの申請が必要な状況です。

また、交付申請の予約は2025年11月14日で締め切られる予定です。省エネリフォームを検討中の方は、速やかに準備を進めることをおすすめします。補助対象製品については、事前に補助対象製品検索システムで確認し、基準を満たす製品を選択することが重要です。

複数の補助事業を併用する場合は、他事業を併用したリフォーム工事の交付申請額下限が5万円から2万円に見直されており、より利用しやすくなっています。

住宅省エネリフォームで押さえておきたいポイント

住宅省エネリフォームを成功させるためには、単に補助金を活用するだけでなく、長期的な視点での計画立案と適切な施工業者の選定が重要です。

  • 総合的な省エネ計画を立てる
  • 補助金制度を最大限活用する

ここでは、失敗しないリフォームのために特に重要な3つのポイントをご紹介します。

総合的な省エネ計画を立てる

省エネリフォームでの効果を最大限まで高めるためには、住宅全体の断熱性能をバランス良く向上させることが重要です。窓だけ、給湯器だけといった部分的な改修よりも、外壁・屋根・床・開口部を総合的に改修することで、相乗効果により大幅な省エネ効果を実現できます。

また、家族のライフスタイルに応じた省エネ計画を立てることも大切です。例えば、在宅時間の長い家庭では断熱性能の向上を重視し、共働き世帯では高効率設備による時短効果も考慮した計画にすると良いでしょう。

補助金制度を最大限活用する

複数の補助事業を組み合わせることで、より多くの補助金を受けることが可能です。例えば、窓の改修で先進的窓リノベ2025事業を利用し、同時に給湯器交換で給湯省エネ2025事業を併用することで、トータルの補助金額を最大化できます。

ただし、各事業には予算上限があり、申請が集中すると早期に受付終了となる可能性があります。また、自治体ごとに独自の補助金制度がある場合もあるため、お住まいの地域の制度も併せて確認すると良いでしょう。

まとめ|住宅省エネリフォームで快適かつ経済的な住まいを目指そう

住宅省エネ2025キャンペーンは、住宅の光熱費削減と快適性向上を同時に実現する絶好の機会です。断熱改修、高効率給湯器の設置、省エネ設備の導入を適切に組み合わせることで、大幅な省エネ効果と補助金による経済的メリットを享受できます。

本記事で解説したように、各補助事業には予算上限があり、申請が集中すると早期に受付終了となる可能性があります。2025年11月14日には交付申請の予約受付も終了予定のため、省エネリフォームをお考えの方は早めの行動が重要です。