一軒家の住宅を購入しようとする際には、新築の注文住宅を購入するか、中古物件を購入するか、古民家などの中古物件を購入しリノベーションする方法があります。
その中でも、古民家のリノベーションは、古い住宅の外観や骨組みを残しつつ、機能性や住みやすさを改善し、快適な住宅を作る方法の一つです。
古民家をリノベーションする方法は、新築の住宅を購入するよりもコストが安くなるなどのメリットがある一方で、工事期間が長くなるなどのデメリットがあります。
本記事では、古民家をリノベーションするメリットやデメリットを解説しつつ、注意点についても詳しく解説します。記事の後半では、リノベーションするための費用についても紹介しているので、これから古民家のリノベーションを考えている方は、最後までご覧ください。
1.古民家のリノベーションはどこまでできる?
古民家とは、はっきりとした定義はないものの、一般社団法人全国古民家再生協会によると「築50年以上が経過した建物」とされています。
古民家に使われている木材は、プラスチックや金属と違い、時間が経つにつれて強度が上がるともいわれています。古民家のリノベーションは、使用されている木材を再利用して、住宅の内装などをリフォームする方法を指します。
一般的な中古物件のリノベーションとの違いは、古民家の古い外観や耐久性が高い木材を再利用する部分です。古民家の良い部分を取り入れつつ、内装をオシャレなデザインにすることで、外観も内装もデザイン性の高いモダンな住宅が完成します。
また、使用されている木材を使用することで、エコにもなるため、古民家のリノベーションは注目されています。
2.古民家をリノベーションするメリット
古民家をリノベーションするメリットは、主に以下の5つが挙げられます。
- 新築住宅よりも費用が安くなる可能性がある
- モダンでおしゃれな家に住める
- 丈夫な木材を使用した家になる
- 固定資産税が少なくなる可能性がある
- 好立地な場所に住める
新築住宅よりも費用が安くなる可能性がある
古民家をリノベーションする方法は、新たに一から建てる新築住宅よりも費用が安くなる可能性があります。
新築住宅は、使われる材料が全て新品であり、土地の成形や基礎の作成から始めなければなりません。一方で、古民家をリノベーションする方法は、使用されている木材を再利用したり、基礎をそのまま使用できたりするため、費用を抑えられます。
また、古民家は販売されている金額も安い場合がほとんどの場合のため、新たに土地を購入するよりも金額が抑えられる可能性があるのもメリットです。
モダンでおしゃれな家に住める
古民家をリノベーションする方法は、外観をそのまま活用して内装をすべてリフォームする方法もあるため、見た目はモダンで他の家では実現できないようなデザインになる可能性があります。
古民家ならではの昔の趣をそのまま活用し、内装を機能的で使い勝手の良いものにリフォームできれば、古民家と現在の技術を融合できるため、住みやすく、デザイン性の高い住宅になるでしょう。
丈夫な木材を使用した家になる
古民家をリノベーションする場合には、古民家に使用されている木材を再利用できます。
古民家の木材は、時間が経つにつれて強度が上がる木材を使用していることが多く、長い年月をかけてより丈夫な木材となっています。そのため、丈夫な木材を使用して、より安定性のある住宅を再構築して、住みやすい住宅が作れる可能性があります。
固定資産税が少なくなる可能性がある
古民家をリノベーションする場合には、固定資産税の支払いが少なくなる可能性があります。住宅などの建物の固定資産税は、新しく価値があると判断された場合に高くなるためです。
そのため、新築住宅を建てるよりも、古民家をリノベーションした方が固定資産税は少なくなる可能性があります。
好立地な場所に住める
購入する古民家によっては、好立地の場所に住める可能性があります。
好立地の土地は、値段も高く、空きが出ることはほとんどありませんが、古民家の場合には、解体したり、リノベーションをしないといけないため、空き地よりも人気はありません。
そのため、古民家をリノベーションして住む場合には、立地が良い場所に古民家がないかを探してみると良いでしょう。
3.古民家をリノベーションするデメリット
古民家をリノベーションする際には、メリットだけでなくデメリットもあります。古民家をリノベーションする際のデメリットは、主に以下の3つがあります。
- 機能性が乏しい
- 工事に時間が掛かる可能性がある
- 予想よりも費用が掛かる可能性がある
機能性が乏しい
古民家は、築年数が50年を超えた建物のため、断熱性能や耐震性が低いものばかりです。
50年以上前には、断熱性能や耐震性に規制がなかったため、どの古民家でも現在の基準をクリアしていない場合がほとんどです。そのため、古民家をリノベーションする場合には、機能性を上げるような工夫が必要になります。
工事に時間が掛かる可能性がある
古民家をリノベーションする場合、新築住宅を建てるよりも工事に時間が掛かる可能性があります。
新築住宅の場合には、なにもないところから作り上げていくだけですが、古民家をリノベーションする場合には、リフォームする場所を一度壊してから、再度作り上げていかなかればなりません。
特に、間取りを変更したり、家全体の断熱性能を上げるための工事は、ほぼ全体を一度壊さないといけないため、時間が掛かります。
予想よりも費用が掛かる可能性がある
古民家をリノベーションする場合には、思い掛けないところで費用が発生する可能性があります。
古民家を購入する際には見えなかった部分で、木材が腐敗していたり、再利用しようとしていた部分が使えなかったりする可能性があるためです。
再利用をしようと考えていた材料が使えなければ、新しい材料を調達しないといけないため、見積もりの費用よりも高くなってしまいます。
4.古民家をリノベーションする際の注意点
古民家をリノベーションする際には、上記で解説したメリットとデメリットを考慮した上で、以下の5つのポイントに注意しておきましょう。
- 購入前によく観察する
- 理想の住宅が建てられる古民家かを十分に検討する
- 機能性を上げる
- 見積もりを細かく提示してもらう
- 複数のリフォーム会社に相談する
購入前によく観察する
古民家をリノベーションする場合には、古民家を購入する前に、住宅の状態を良く観察するようにしましょう。特に観察しにくい、床下の木材の状況や基礎の状態は見た目だけでは判断できないため、専門家に依頼するのも方法の一つです。
住宅の中心となる木材が腐敗していたり、基礎が弱い状態でリノベーションをしてしまうと、機能性が低い住宅になってしまいます。急いで購入せずに、よく観察して、リノベーションができる状態かを十分に検討しましょう。
理想の住宅が建てられる古民家かを十分に検討する
古民家を購入する場合には、理想の住宅にリノベーションできるかどうかを十分に検討しておく必要があります。古民家の広さであったり、間取りの位置であったりを確認しておかないと、いざリノベーションをして、理想の住宅にしようとしても、物理的に難しい場合もあるためです。
古民家を購入する際に、理想の間取りに変更が可能かであったり、水回りの位置取りに問題がないかであったりを十分に確認しておきましょう。
機能性を上げる
古民家をリノベーションする場合には、機能性を上げる必要性があることを理解しておかなければなりません。
古民家は50年以上前に建てられた住宅のため、断熱性能や耐震性が低いものばかりであり、そのまま住んでしまうと、住みにくく安全性の低い住宅になります。
そのため、リノベーションをする際には、断熱性能や耐震強度を上げる工事が必要になることを理解しておきましょう。
見積もりを細かく提示してもらう
古民家をリノベーションする際には、リフォーム会社に見積もりを細かく提示してもらうようにしましょう。
古民家では、見えない部分で木材の腐敗が進んでいたり、余分な工事が必要になったりするため、見積もりが細かく提示されていないと、工事費用が予想よりも高くなってしまう可能性があります。
一度工事を始めてしまうと、取り返しがつかないため、見積もりを取ってもらう時点で、内容を確認して、慎重に検討しなければなりません。
複数のリフォーム会社に相談する
古民家をリノベーションする場合には、複数のリフォーム会社に相談し、相見積もりを取る方法をおすすめします。
リフォーム会社によっては、詐欺まがいの金額を提示する会社があるため、三社程度のリフォーム会社に見積もりを依頼することで、適正な金額かどうかが確認できます。
ただ、見積もりの金額が安いからといって安易に依頼しても、工事が適当な場合もあるため、会社の実績や口コミ等も確認した上で、依頼するようにしましょう。
5.古民家をリノベーションする際の費用
古民家をリノベーションする場合の費用は、古民家の価格であったり、リフォームする箇所の広さによって大きく変わります。
内装の一部分をリノベーションするだけであれば数百万円で工事ができる場合もありますが、家全体をリノベーションする場合には、数千万円の工事費用が掛かる場合もあります。
内装の一部分をリノベーションする場合の費用については、以下のページに費用を記載しているので、参考にしてください。
関連ページ:リフォームメニュー
6.まとめ
今回は、古民家のリノベーションについて、概要からメリット、デメリット、リノベーションをする際の注意点について、詳しく解説しました。
古民家をリノベーションするメリットは、昔ながらのデザインを活かしつつ、オシャレな住宅に変更できるだけでなく、費用面でも新築住宅より安くなる可能性があります。
一方で、機能性が低いなどのデメリットもあるため、メリット、デメリットを比較してなにを重視するかを十分に検討しておきましょう。
古民家をリノベーションする際には、特に古民家の購入に注意しておきましょう。理想の住宅にリノベーションできる状態かどうかであったり、住宅の中心となる柱などの木材が腐敗していないかであったりなどの確認が必要です。
古民家はうまく活用すると、オシャレな住宅に生まれ変わるため、非常に人気があります。しかし、適当にリノベーションしても後悔する可能性もあるため、今回の記事を参考に、満足のいくリノベーションにしてください。