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お店をより快適にするための改装ポイント|飲食店改装で知っておきたい工事の基本

2025.10.08

飲食店の経営において、改装は集客力向上や売上アップを実現する重要な施策です。適切な工事を行うことで、お客様に選ばれる魅力的な店舗に生まれ変わらせることができ、安定した収益性の向上も期待できます。

この記事では、飲食店改装に必要な工事内容から費用相場、保健所手続きまで解説します。改装を検討する際に、ぜひ参考にしてみてください。

飲食店改装で必要な工事内容とは

飲食店として成功するためには、お客様が快適に食事を楽しめる環境を整えることが欠かせません。既存店舗を改装する場合、主に4つのカテゴリーの工事が必要になります。

  • 厨房設備の改修・入れ替え
  • 客席エリアの内装工事
  • トイレ・水回りの改装
  • 衛生・安全対策工事

これらの工事は、お客様の満足度向上だけでなく、法的要件への適合や店舗の差別化にも直結します。ここでは、飲食店改装で特に重要とされる工事内容について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

厨房設備の改修・入れ替え

飲食店において厨房設備の充実は、料理の質や提供スピードを大きく左右する要素です。既存の調理機器が古い場合は、最新の業務用厨房機器への交換が必要になります。特にガスコンロや冷蔵庫、製氷機などの主要設備については、エネルギー効率の高いモデルへの入れ替えにより、ランニングコストの削減も期待できるでしょう。

また、換気設備やダクト工事の強化は、厨房内の作業環境改善だけでなく、消防法への適合や近隣への配慮としても重要です。給排水設備の改修や食器洗浄機の導入なども、作業効率向上につながる投資として検討する価値があります。

客席エリアの内装工事

飲食店の客席エリアは、お客様の第一印象を決定づける重要な空間であり、居心地の良さと店舗コンセプトの表現を両立させることが求められます。床材については、清掃のしやすさと耐久性を重視してフローリングやタイル、クッションフロアを選択することが一般的です。汚れや傷に強い材質を選ぶことで、メンテナンスコストの削減にもつながります。

壁と天井のクロス張り替えでは、店舗のコンセプトに合わせた色合いや質感を選択し、明るく清潔な印象を与えることが大切です。例えば、料理を美しく見せる演色性の高い照明や、雰囲気づくりに配慮した間接照明の導入が効果的でしょう。また、テーブルや椅子などの什器交換により、座り心地の向上とブランドイメージの統一を図ることができます。

トイレ・水回りの改装

飲食店のトイレは、お客様の満足度に直結する重要な設備であり、清潔感と使いやすさの両立が求められます。和式トイレの場合は洋式化への変更を検討し、ウォシュレットの設置により快適性を高めることができます。特に女性客やファミリー層をターゲットとする店舗では、トイレの質が来店動機に影響することも少なくありません。

手洗い場については、自動水栓の導入や洗面台の増設により、衛生面での配慮をアピールできるでしょう。バリアフリー対応として、多目的トイレの設置や段差の解消、手すりの取り付けなども、幅広い客層に対応するために有効です。内装材には、清掃しやすく防水性・防汚性に優れた素材を選ぶことで、日々のメンテナンス負担を軽減できます。

衛生・安全対策工事

飲食店では、お客様とスタッフの安全を守るため、一般的な店舗以上の衛生・安全対策が必要になります。消防法に基づく設備として、消火器や火災報知器、誘導灯の設置が義務付けられており、店舗の規模や収容人数に応じて自動火災報知設備やスプリンクラーの設置が求められる場合もあります。これらの設備は、法的要件を満たすだけでなく、万が一の際の被害を最小限に抑えるためにも必要不可欠です。

また、空調・換気設備の強化は、快適な店内環境の維持と感染症対策の両面で重要性が高まっています。防犯面では、レジ周辺や出入口へのセキュリティカメラ設置が効果的です。

加えて、害虫対策として防虫網の設置や、漏水防止のための防水工事なども、長期的な店舗運営において重要な投資といえるでしょう。

工事箇所別|飲食店改装の費用相場

飲食店改装にかかる費用は、施工する箇所や工事の範囲、使用する設備のグレードによって大きく変わります。ここでは、各工事箇所の詳しい施工内容と費用相場をご紹介します。

工事箇所 工事内容 費用相場 工期目安
厨房設備 業務用厨房機器交換・換気設備工事 100~300万円 5~10日
ガスコンロ・冷蔵庫・製氷機入れ替え 50~150万円 3~5日
給排水設備改修・食洗機導入 30~80万円 2~4日
客席内装 床材張り替え(20坪) 40~100万円 3~5日
壁・天井クロス張り替え(20坪) 30~80万円 3~5日
照明計画・什器交換 50~150万円 2~4日
トイレ・水回り トイレ洋式化・ウォシュレット設置 30~60万円 2~3日
手洗い場改修・自動水栓導入 15~40万円 1~2日
バリアフリー対応工事 50~120万円 3~7日
衛生・安全対策 消火器・火災報知器設置 15~40万円 1~2日
換気・空調設備強化 50~150万円 3~7日
防犯カメラ・セキュリティ設備 20~60万円 1~2日

また、店舗規模別の総費用目安は以下の通りです。

  • 小規模店舗(10~20坪):200~500万円
  • 中規模店舗(20~40坪):500~1,000万円
  • 大規模店舗(40坪以上):1,000万円~

費用に影響する主な要因として、設備のグレードや既存設備の状況が挙げられます。例えば、高級感を演出するため上位グレードの厨房機器や什器を選択したり、築年数の古い物件で配管や電気配線の全面更新が必要になったりする場合は、費用が大幅に上昇することがあります。

正確な費用を把握するには、複数の専門業者から見積もりを取得し、現地調査を受けることが大切です。業者によって見積もり金額や施工内容が異なるので、目的やニーズに合わせてしっかり比較検討するのが良いでしょう。

飲食店改装で押さえておきたい保健所手続き

飲食店の改装を行う際は、保健所への適切な手続きが必要不可欠です。改装の規模によって必要な手続きが異なるため、工事着工前に必ず確認しましょう。

例えば、大規模な改装で厨房のレイアウトや設備配置を大きく変更する場合は、営業許可の再申請が必要になります。一方、客席の内装変更やトイレの改修など、厨房に影響しない軽微な変更の場合は届出のみで済むケースもあります。

判断が難しい場合は、設計段階で保健所に事前相談を行いましょう。

保健所が重点的にチェックするポイントとして、2槽シンクの設置、手洗い設備の適切な位置と数、給湯設備・冷蔵設備の配置、換気・採光の基準などがあります。これらの基準を満たさない場合、工事完了後に再工事が必要になる可能性もあるため、事前の確認が欠かせません。

工事完了後は保健所の完成検査を受け、基準を満たしていることが確認されてから営業を再開できます。検査時には営業許可証や工事関連書類などの提出が求められるため、事前に準備しておきましょう。

まとめ|飲食店改装の相談は内装工事の実績が豊富な業者へ

飲食店の改装は、集客力向上や売上アップを実現する効果的な投資です。厨房設備の充実、客席内装の刷新、トイレ・水回りの改修、衛生・安全対策を適切に組み合わせることで、お客様に選ばれる魅力的な店舗に生まれ変わらせることができます。

本記事で解説したように、飲食店改装には一般的な店舗改装とは異なる専門的な知識が必要です。保健所の基準への対応、お客様目線での設備選択、さらには補助金制度の活用まで、多角的なアプローチが求められます。

また、初期費用を抑えたい場合は、小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金、自治体独自の補助金制度など、様々な支援制度を活用してみてください。

名古屋市を拠点にリフォームを手がけるニノス株式会社では、飲食店改装にも豊富な実績があり、保健所対応から補助金申請サポートまで、トータルでお客様をサポートしています。経験豊富なスタッフが、集客力の高い店舗づくりを丁寧にお手伝いいたします。

「老朽化した店舗を新しくしたい」「保健所基準を満たす安全な店舗を作りたい」「補助金を活用してコストを抑えたい」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ニノスにご相談ください。