REFORM COLUMN

高気密リフォームで快適&省エネな住まいへ!メリット・費用・注意点を解説

2025.07.18

「冬は寒くて暖房が効かない」「夏は外の熱気が室内に伝わってくる」——そんな住まいの悩みを抱えていませんか?

既存住宅でも、リフォームによって「高気密」な構造に改善することで、住まいの快適性や省エネ性能を大きく向上させることができます。

本記事では、高気密リフォームの基本から得られるメリット、主な施工方法、費用相場、そして実施時の注意点までをわかりやすく解説します。「今の家をもっと快適にしたい」「光熱費を抑えたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

高気密リフォームとは

高気密リフォームは、快適性と省エネ性能を両立できる住まいづくりの一手として、近年注目を集めています。

高気密リフォームとは、住宅の隙間をできるだけ少なくし、室内と屋外の空気の出入りを抑えるように改修する工事のことです。本来、新築住宅では建築時から高気密・高断熱の設計が可能ですが、既存の住宅でもリフォームによって気密性を高めることができます。

高気密な住まいは、冷暖房効率が上がり、室内の温度が安定しやすくなるのが特徴です。また、外気の侵入が抑えられることで、花粉や排気ガス、騒音などの外部影響を軽減できるという利点もあります。

ただし、気密性だけを高めてしまうと、室内の空気がこもりやすくなるため、換気についても計画的に考えなくてはならない点に注意しましょう。

高気密リフォームのメリット

高気密リフォームを行うことで、住宅の快適性や健康面、省エネ効果に至るまで、さまざまなメリットが得られます。

  • 冷暖房効率が向上し、省エネ・光熱費削減に
  • 室内の温度差を軽減し、ヒートショック対策に
  • 外気の影響を受けにくく、花粉・騒音の侵入も軽減

ここでは代表的な3つの利点について詳しく解説します。

冷暖房効率が向上し、省エネ・光熱費削減に

高気密な住宅は、外気の侵入と内気の漏れを防ぐ構造になっているため、冷暖房の効率が大幅に向上します。室内の空気が外に逃げにくくなることで、エアコンや暖房機器の稼働時間が短く済み、エネルギーの無駄遣いを防げます。

例えば、夏に冷房をつけてもすぐに冷気が逃げてしまうような住宅では、長時間エアコンを使う必要があるでしょう。しかし、高気密化された空間であれば、設定温度を保ちやすくなり、エアコンの稼働を抑えられるため、結果として光熱費の削減につながります。

また、冷暖房効率の向上は環境負荷の低減にも貢献できるため、地球温暖化対策としても有効です。

室内の温度差を軽減し、ヒートショック対策に

高気密リフォームによって住宅全体の温度が安定しやすくなることで、部屋ごとの温度差を抑えられるようになります。特に冬場、暖房の効いたリビングから寒い脱衣所や浴室に移動する際の急激な温度変化は「ヒートショック」の原因となるため、特に高齢者にとっては健康リスクにつながりかねません。

気密性が高くなると、断熱性も活かしやすくなり、家全体の温度を均一に保ちやすくなります。これにより、体にかかる負担が軽減され、安全で快適な住環境を実現できます。

外気の影響を受けにくく、花粉・騒音の侵入も軽減

高気密住宅は、外部との隙間が極端に少なくなるため、外気に含まれる花粉やPM2.5といった微細な粒子の侵入を防ぎやすくなります。これはアレルギー体質の方や小さなお子さんがいる家庭にとって大きなメリットと言えるでしょう。

さらに、窓や壁の気密性が高まることで外の音が伝わりにくくなり、騒音トラブルの軽減にもつながります。交通量の多い道路沿いや、近隣の生活音が気になる地域でも、高気密化により静かな住環境を得ることが可能です。

高気密化リフォームの主な方法

高気密リフォームを実現するには、住宅の構造や劣化状況に応じた具体的な対策が必要です。

  • 窓やサッシの交換・二重窓の設置
  • 断熱材の追加や吹付け
  • 隙間の気密処理と換気計画の見直し

ここでは、代表的な3つの手法について解説します。

窓やサッシの交換・二重窓の設置

住宅の中でも、気密性を大きく左右するのが「窓」です。古い住宅では、シングルガラスやアルミ製サッシが使用されていることが多く、そこから冷気や外気が入り込みやすくなっています。

高気密化を図るうえで効果的なのが、樹脂サッシ+複層ガラス(Low-Eガラス)への交換です。これにより、断熱性と気密性が大幅に向上します。また、外窓はそのままに、内窓(インナーサッシ)を追加して二重窓にする方法も人気です。施工も比較的簡単で、費用を抑えながら気密性を高めることができます。

窓まわりのリフォームは体感温度の改善がわかりやすく、光熱費削減にもつながるため、最初のリフォームとしてもおすすめです。

断熱材の追加や吹付け

壁や天井、床に断熱材を追加することも、高気密リフォームに欠かせない手法です。気密性と断熱性はセットで考える必要があり、断熱性能が不十分だと、いくら隙間を塞いでも室内の温熱環境は安定しません。

既存の壁を一部解体してグラスウールやセルロースファイバーなどの断熱材を充填する方法や、ウレタンフォームなどの吹付け断熱を施す方法があります。特に吹付け断熱は細かな隙間にも密着するため、断熱と気密の両面に効果を発揮します。

しかし、断熱材の種類や厚みは地域の気候や家の構造によって最適なものが異なるため、専門家の判断が重要です。リフォームを検討する際は、現在の住宅の悩みを信頼できる専門業者に相談するのが良いでしょう。

隙間の気密処理と換気計画の見直し

気密性を高めるには、小さな隙間まで丁寧にふさぐ施工が欠かせません。具体的には、コンセントまわりや配管のすき間、建物の継ぎ目、サッシの接合部などに気密パッキンや気密テープ、コーキング材を使って処理を行います。

また、高気密住宅では自然な通風が期待できなくなるため、24時間換気システムの導入や見直しが必要です。特に「第1種換気(機械給気・機械排気)」を採用すれば、計画的な空気の入れ替えができ、結露や空気のこもりを防ぐことができます。

気密化と換気はワンセットで考えるべきポイントであり、どちらかが欠けると住環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、バランスのとれた設計が重要です。

費用相場と工期の目安

高気密・高断熱リフォームは、施工範囲や既存住宅の構造、使用する材料などによって費用や工期が大きく変動します。ここでは、代表的な施工箇所ごとの相場をまとめました。

施工箇所 費用目安 工期
窓・内窓 5〜20万円/カ所 1〜5日
壁・天井 5,000円〜/m² 数日〜2週間
10万〜110万円 1日〜1週間
外壁・屋根 95〜200万円 1〜4週間
気密・換気 10万〜85万円 数日〜1週間
全体(戸建) 300〜400万円 中心 2〜3ヶ月

大幅なリフォームは当然高額になりますが、国や自治体による省エネリフォームの補助制度を利用すれば、工事費用の一部が支援されます。例えば、2025年現在は、「先進的窓リノベ2025」などの制度があり、内容によっては最大200万円ほどの補助が得られる可能性があります。

ご自宅の構造やライフスタイルに応じて、補助金も含めた計画的なリフォームを検討してみてください。

リフォームで高気密化する際の注意点

高気密リフォームには多くのメリットがある一方で、正しい知識と施工方法を理解しておかないと、かえって快適性や健康面に悪影響を及ぼすこともあります。

  • 高気密住宅には計画的な換気システムの設置が欠かせない
  • 気密性を高めすぎると結露やカビの原因になる可能性がある
  • 高気密化には専門知識が必要なため、信頼できる業者選びが重要

ここでは、リフォームで高気密化を行う際に必ず押さえておきたい3つの注意点を解説します。

高気密住宅には計画的な換気システムの設置が欠かせない

住宅の気密性が高まると、室内外の空気の自然な出入りがほとんどなくなります。つまり、気密性を高めれば高めるほど、計画的な換気が不可欠になるということです。

こういった状況に対しては、例えば、熱交換型の24時間換気システム(第1種換気)を導入することで、室内の空気を常に新鮮に保ちながら、冷暖房で調整された温度を無駄にしない環境づくりが可能になります。

換気が不十分なまま高気密化してしまうと、二酸化炭素や湿気、生活臭などがこもりやすくなり、健康や快適性に悪影響を及ぼす恐れがあります。そのため、高気密リフォームを検討する際は、必ず換気計画をセットで考えることが重要です。

気密性を高めすぎると結露やカビの原因になる可能性がある

室内の空気が外に逃げにくくなることで、湿気がこもりやすくなり、結露のリスクが高まるのも高気密住宅の注意点です。特に、十分な断熱処理が行われていない状態で気密だけを高めてしまうと、外気との温度差により壁内や窓に結露が生じやすくなります。

結露はカビやダニの発生要因にもなり、建物の劣化や健康被害を招くこともあります。そのため、高気密リフォームでは断熱施工とのバランスが非常に重要です。

また、湿気の多いキッチンや浴室、洗濯スペースなどでは特に注意が必要で、局所換気の強化や調湿建材の導入も検討するとよいでしょう。

高気密化には専門知識が必要なため、信頼できる業者選びが重要

高気密リフォームは、単なるリフォーム工事以上に、建物の構造や気流の動き、断熱性能などへの深い理解が求められる専門性の高い施工です。施工不良があると、気密性が十分に確保できなかったり、逆に過剰な密閉空間をつくってしまったりするリスクもあります。

そのため、高気密・高断熱住宅に詳しいリフォーム業者や工務店を選ぶことが非常に重要です。実績や施工事例、気密測定(C値測定)の対応可否などを確認したうえで、納得のいく説明をしてくれる業者に依頼しましょう。

加えて、国の補助金制度を活用する場合には、認定事業者であることが要件となるケースもあるため、事前に条件の確認も忘れずに行ってください。

まとめ|高気密リフォームで快適な暮らしを実現しよう

高気密リフォームは、冷暖房効率の向上や室内環境の快適化、省エネによる光熱費の削減など、多くのメリットをもたらします。特に断熱と換気をセットで考えることで、快適かつ健康的な住まいを実現することが可能です。

一方で、気密性の高まりに伴う結露や換気不足といったリスクがあるため、専門知識を持つ業者による正しい施工が非常に重要となります。部分的な施工から段階的に始めることもできるため、自宅の状況や予算に合わせて最適な方法を検討してみましょう。

名古屋市を拠点にリフォームを手がけるニノス株式会社では、高気密・高断熱リフォームにも対応しており、戸建て・マンション問わず多数の実績があります。建物の構造やライフスタイルに応じた最適なプランをご提案し、見積もりやご相談は無料。経験豊富なスタッフが、快適で省エネな住まいづくりを丁寧にサポートいたします。

「光熱費を抑えたい」「室内の寒暖差をなんとかしたい」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ニノスにご相談ください。