住まいの快適性や安全性を高めるためにリフォームを検討している方にとって、費用面は大きなハードルとなります。そんなときにぜひ活用したいのが、自治体によるリフォーム補助金制度です。名古屋市や愛知県では、耐震補強・省エネ対策・バリアフリー改修などを対象に、さまざまな補助金制度が用意されています。
本記事では、2025年時点で利用可能な名古屋市・愛知県内の主な補助金制度をわかりやすくご紹介します。対象条件や補助額、申請方法、注意点まで徹底解説しています。制度を上手に活用して、コストを抑えながら理想の住まいを実現しましょう。
名古屋市・愛知県のリフォーム補助金制度
名古屋市・愛知県では、住まいの安全性や快適性を高めるためのリフォームに対し、さまざまな補助金制度が用意されています。
- 名古屋市:木造住宅耐震改修助成制度
- 名古屋市:耐震シェルター等設置助成
- 名古屋市:家庭用燃料電池システム(エネファーム)設置費補助
- 豊田市:豊田市すこやか住宅リフォーム費
- 豊川市:地球温暖化対策設備導入促進費補助制度
ここでは、代表的な補助制度をピックアップし、対象条件や補助額、申請の流れなどをわかりやすく解説します。リフォーム費用の負担を抑えたい方は、ぜひ活用を検討してみてください。
名古屋市:木造住宅耐震改修助成制度
名古屋市では、旧耐震基準で建てられた木造住宅を対象に、耐震性能を高めるための改修工事に対して補助を行っています。地震による住宅の倒壊を防ぎ、安心して暮らせる住環境を整えることを目的とした制度です。
昭和56年5月31日以前に着工された木造2階建て以下の住宅に、名古屋市の無料耐震診断で構造評点1.0未満(段階的改修は0.7未満)と判定された場合、耐震補強工事費用の一部が助成されます。
<対象>
昭和56年(1981年)5月31日以前に着工された木造2階建て以下の住宅で、名古屋市が実施する無料耐震診断の結果、耐震性が不足していると判定されたもの(構造評点が1.0未満)。戸建住宅のほか、長屋や併用住宅も一部対象となります。
<補助額・率>
- 【一般改修】耐震評点を1.0以上に引き上げる改修工事
- 【段階的改修】まず0.7以上を目指す第1段階と、その後1.0以上を目指す第2段階に分けて実施する工事
補助率はいずれも工事費の80%以内で、上限額は以下のとおりです。
- 一般世帯:最大100万円(段階的改修は第1段階45万円/第2段階55万円)
- 非課税世帯:最大150万円(段階的改修は第1段階70万円/第2段階80万円)
<申請から補助金交付までの流れ>
- 1.市の無料耐震診断を受ける
- 2.改修計画(一般改修または段階的改修)を立てる
- 3.見積書など必要書類を添えて補助金を申請
- 4.市から交付決定通知を受けた後に工事を開始
- 5.工事完了後に実績報告を提出し、補助金が交付される
<注意点>
交付決定前に工事を始めてしまうと、補助の対象外になるため注意が必要です。また、施工業者は名古屋市の要件を満たす登録業者である必要があります。申請手続きや工事内容について不安がある場合は、名古屋市建築防災推進室への事前相談がおすすめです。
名古屋市:耐震シェルター等設置助成
名古屋市では、地震時に屋内で安全を確保できる耐震シェルターや防災ベッドの設置に対し、高齢者や障害者の居住住宅を対象として経済的支援を行っています。
<対象>
- 昭和56年5月31日以前に着工された名古屋市内の木造住宅で、無償耐震診断において構造評点が0.7未満と評価されたもの
- 申請時点で65歳以上の高齢者または障害者が居住している世帯(非課税世帯も対象)
<補助額・率>
- 一般世帯:設置費用の1/2以内、上限30万円
- 市民税非課税世帯または高齢者・障害者のみ世帯:設置費用の3/4以内、上限45万円
<申請から補助金交付までの流れ>
- 1.無料耐震診断の実施および評点0.7未満であることの確認
- 2.設置希望する機器の選定・見積取得
- 3.工事着工前に必要書類を揃えて「耐震化支援課」へ補助申請
- 4.補助金の交付決定通知後に契約・設置工事を実施
- 5.工事完了後、実績報告書などの提出を経て補助金が交付される
<注意点>
補助金申請は必ず工事着工前に行い、交付決定前に着工すると対象外となります。また、すでに耐震改修助成(工事補助金)を受けた住宅は、本制度の併用不可です。
名古屋市:家庭用燃料電池システム(エネファーム)設置費補助
名古屋市では、災害時の備えや省エネルギーの促進を目的に、家庭用燃料電池システム「エネファーム」の設置に対する補助制度を実施しています。自立運転機能を備えたモデルが対象で、停電時にも電力を確保できることから、防災対策としても注目されています。
<対象>
- 名古屋市内の戸建住宅および集合住宅で、自立運転機能付きエネファームを新規に導入する場合
- 申請者が個人(市内在住)または市内に本店・主たる事務所を持つ法人
※個人の場合は「なごや太陽光倶楽部」への入会が必要
<補助額・率>
1台あたり3万円(定額支給)
※1住戸につき1台分のみ申請可。対象機器は一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)の登録を受けた製品に限られます。
<申請から補助金交付までの流れ>
- 1.対象機器(自立運転機能付きエネファーム)の選定・見積取得
- 2.補助金申請(郵送にて所定の申請書を提出)
- 3.交付決定通知を受け取ってから設置工事を開始
- 4.工事完了後、実績報告書などの提出
- 5.補助金が交付される
<注意点>
- 交付決定前の着工は無効となるため、申請タイミングに注意が必要
- 補助対象機器は「自立運転機能付きエネファーム」の新品のみ(リース品・移設品は対象外)
- 同年度内で1住戸につき1件のみ申請可
- 他の国・県・市の補助制度とは併用不可または制限あり
参照:名古屋市:令和7年度 住宅等の脱炭素化促進補助(暮らしの情報)
豊田市:豊田市すこやか住宅リフォーム費
高齢者の自立支援や介護負担の軽減を目的に、介護保険による住宅改修費の上限を超える部分を補完する形で助成が受けられます。
<対象>
- 要介護・要支援認定を受け、在宅で介護を受けている介護保険自己負担1割の方
- 介護保険の住宅改修で対象となる工事で、助成限度額(介護保険)を超えた部分
- トイレ・浴室の新設工事、車椅子対応の洗面台設置、暖房・洗浄・自動水洗機能付き洋式便器の取替え、屋外手すり・スロープ移設など
<補助額・率>
- 対象工事費の90%を助成(1割自己負担)
- 年間の上限は20万円(自己負担1割の場合、実質補助最大180,000円)
- 助成は上限額まで複数回利用可
<申請から補助金交付までの流れ>
- 1.介護保険課窓口で工事前相談・事前確認(ケアマネ・地域包括センター経由)
- 2.必要書類(理由書・見積書・図面・写真)を用意し提出
- 3.市の事前確認後10日〜2週間程度で着工OK通知が来る
- 4.工事実施、完了後に写真付き報告書を提出
- 5.市が審査し、最大20万円までの助成金が支給
<注意点>
- 介護保険課への事前相談なしに着工した場合は対象外
- 介護保険制度で新築・増築・全額保険支給可能な工事は対象外
- 同種の助成を他で受けた場合や介護保険料未納の場合は利用不可
豊川市:地球温暖化対策設備導入促進費補助制度
豊川市では、市民の脱炭素化とエネルギー効率向上を推進するため、太陽光発電や蓄電池、HEMSなどの地球温暖化対策設備の購入・設置費用に対し、補助金を交付しています。国・県との連携による制度も含まれており、先着順で予算に達し次第受付終了となります。
<対象>
市内に居住または居住予定の住宅(戸建・集合住宅・店舗併用住宅含む)に、未使用の以下設備を設置する方
HEMS、燃料電池システム(エネファーム)、リチウムイオン蓄電池、太陽熱利用システム(自然循環型・強制循環型)、電気自動車等充給電設備(V2H)、高性能外皮、断熱窓改修工事 など
<補助額・率>
単独導入の場合:
- HEMS:上限1万円
- 燃料電池システム:上限4万円
- 蓄電池:上限5万円
- 太陽熱システム:上限2万円(自然循環型)、3万円(強制循環型)
一体的導入(3点セット)の場合:
- 太陽光+HEMS+蓄電池:上限10万円
- 太陽光+HEMS+V2H:上限8万円
- 太陽光+HEMS+断熱窓改修:上限8万円
- ZEH仕様:上限10万円
<申請から補助金交付までの流れ>
- 2024年4月1日~工事着手の7日前までに申請書類(計画書・見積・写真・税滞納証明など)を豊川市産業環境部環境課へ提出(先着順)
- 交付決定後に設置工事を実施
- 設置完了後、実績報告書を提出
- 書類確認・交付額確定後、豊川市窓口で補助金請求手続き(市と県の補助がある場合は県からも併せて交付)
<注意点>
申請は工事着手の7日前までに完了が必要で、書類不備がある場合は受理されません。また、補助対象は未使用の新品設備のみ。増設・リース品は対象外です。
同一設備への補助は複数回申請不可。県との協調補助の場合、市に制度がなくなると県補助も不可。予算枠に達し次第受付終了(先着順)となります。
参照:令和7年度住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金|東海市公式ウェブサイト
リフォーム補助金を活用する際の注意点
リフォーム補助金は、上手に活用すれば費用負担を大きく軽減できる非常に便利な制度です。しかし、申請や工事の進め方を誤ると「補助金がもらえない」「対象外になる」といったトラブルが起こることもあります。
- 補助対象となるリフォーム内容・工事範囲を必ず確認する
- 工事着工前に申請しないと対象外になる場合がある
- 施工業者は補助金対応の実績がある会社を選ぶ
- 補助金の併用可否や上限額に注意する
- 交付決定後も申請手続き・報告書類の提出が必要
ここでは、名古屋市・愛知県で補助金を活用する際に注意すべきポイントを整理して解説します。
補助対象となるリフォーム内容・工事範囲を必ず確認する
当然ながら、すべてのリフォーム工事が補助対象になるわけではありません。補助金制度ごとに「対象となる工事の内容」や「性能向上の要件」が明確に定められており、該当しない工事は補助を受けられないため注意が必要です。
例えば、名古屋市の制度では「耐震性を高める構造補強工事」や「バリアフリー化を目的とした住宅改修」などが補助対象になりますが、デザイン性を重視した内装リフォームや設備の交換だけといったケースは、補助の対象外となることがあります。
補助金を申請する前には、必ず各制度の「対象工事の範囲」や「条件」を確認し、自身のリフォーム計画が適用対象かをチェックしましょう。必要に応じて、自治体の窓口や、制度に詳しい施工業者に相談してみてください。
工事着工前に申請しないと対象外になる場合がある
多くの補助金制度では、「交付決定前に着工した工事」は補助の対象外とされています。これは名古屋市や愛知県の補助制度でも同様で、たとえ対象工事であっても、事前の申請と交付決定通知を受けた後でなければ補助金を受けられません。
そのため、「とりあえず先に工事を始めて、あとから補助申請すればいい」と考えるのは非常にリスクが高いです。申請のタイミングを間違えると、数十万円単位の補助が受けられなくなる可能性もあります。
補助金の利用を検討している場合は、まずは制度を確認し、工事の計画前に申請スケジュールを組み込むことが重要です。早めに動くことで、スムーズに補助を活用できるだけでなく、施工業者との打ち合わせや見積作成にも余裕を持って対応できるでしょう。
施工業者は補助金対応の実績がある会社を選ぶ
補助金を利用する際は、施工業者の選定も非常に重要です。というのも、補助金の申請には見積書や仕様書、完了報告書などの書類提出が必要となるケースが多く、補助金制度への対応経験がある業者の方がスムーズに申請・報告が行えるためです。
経験の少ない業者や制度に不慣れな業者の場合、提出書類の不備や申請の遅れなどによって、最悪の場合は補助金が受けられなくなる恐れもあります。自治体によっては、補助金申請が可能な「登録施工業者制度」を設けている場合もあるため、可能であればそうした業者を選ぶと安心です。
契約前には、「補助金制度を活用した工事実績があるか」「申請手続きをサポートしてくれるか」などを必ず確認しましょう。
補助金の併用可否や上限額に注意する
複数の補助金制度を併用することで、より多くの支援を受けられる可能性もありますが、すべての制度が自由に併用できるわけではありません。国・県・市町村それぞれの制度には、併用に関するルールや優先順位が定められている場合があります。
また、補助金にはそれぞれ上限額があり、予算枠に達すると受付終了となる制度もあります。申請を検討する際は、事前に制度ごとの併用可否や金額上限を確認し、適切な予算計画を立てておきましょう。
交付決定後も申請手続き・報告書類の提出が必要
補助金は「申請して終わり」ではありません。交付決定を受けて工事を完了した後も、完了報告書や実績報告書などの書類提出が求められます。これらの書類が正しく提出されて初めて、補助金が実際に支払われる仕組みになっています。
提出書類には、工事内容や費用の詳細を証明するための請求書や領収書、工事前後の写真などが必要になる場合が多く、準備に時間がかかることも珍しくありません。
報告書の提出期限を過ぎてしまうと、補助金が交付されないケースもあるため、スケジュール管理を徹底することが重要です。施工業者と連携をとりながら、必要書類の準備と提出を確実に行いましょう。
まとめ|名古屋市・愛知県でのリフォームは補助金活用がおすすめ!
リフォームを通じて住まいの安全性・快適性を高めるうえで、補助金制度の活用は非常に有効な手段です。名古屋市や愛知県では、耐震改修、省エネ設備の導入、バリアフリー化など、目的別にさまざまな補助制度が用意されており、条件を満たせば数万~数十万円規模の支援を受けられる可能性があります。
ただし、制度ごとに対象条件や申請の流れが異なり、交付決定前の着工がNGであったり、提出書類が多かったりと、注意すべき点も少なくありません。スムーズに補助金を活用するためには、早めの情報収集と準備がカギです。
名古屋市を拠点にリフォームを手がけるニノス株式会社では、補助金制度を活用したリフォームにも対応しています。戸建て・マンションを問わず多数の施工実績があり、建物の構造やライフスタイルに合わせた最適なリフォームプランをご提案いたします。断熱・換気を含む総合的な快適性向上はもちろん、「光熱費を抑えたい」「夏や冬の室温差をなんとかしたい」といったお悩みにも対応可能です。
見積もりや相談は無料で承っておりますので、補助金を活用して快適な住まいを実現したい方は、ぜひ一度ニノス株式会社へご相談ください。